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<原発安全協定>37自治体が要請 10キロ圏外にも危機感

 原発の立地自治体などが電力会社と結んでいる原子力安全協定について、東京電力福島第1原発事故を受けて、立地以外の周辺自治体にも締結を要請する動きが拡大している。毎日新聞の取材では、全国で少なくとも2府県を含む37自治体が電力会社に要請した。これまで国は原発から10キロ圏内しか防災対策を想定していなかったが、今回の事故では50キロ近く離れた地域も避難対象になった。国の対策見直しを待たず、自治体独自で安全確保を図る動きはさらに広がりそうだ。



 毎日新聞の取材では、原発立地道県以外では、京都府が府内全26市町村と連名で、隣接する福井県内に原発がある関西電力に要望書を提出。関電も先月下旬、協議には応じる方針を示した。鳥取県も島根原発(松江市)から20~30キロ圏内に入る米子市と境港市を対象に含めて中国電力に要請した。



 締結を要請する方針を表明している自治体も多い。静岡県では浜岡原発を巡り藤枝、焼津、袋井、磐田の4市が、新潟県の柏崎刈羽原発で上越市が、愛媛県の伊方原発で八幡浜市が、石川県の志賀原発で七尾市、羽咋市、中能登町がそれぞれ表明。福井の原発では2府5県で構成する関西広域連合のほか、福井県内の小浜市、若狭、越前、南越前各町の1市3町で作る協議会も表明。佐賀県の玄海原発を巡り福岡県は締結検討の方針を示し、泊原発を巡り札幌市も上田文雄市長が必要性を主張している。



 国の原子力安全委員会は80年、米国スリーマイル島原発事故(79年)を受け、原発から10キロ圏内をEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)と規定した。EPZ内の自治体では避難訓練や被ばくに対応できる医療拠点の整備などの防災対策が実施されるが、安全協定も事実上EPZ内に限定されていたのが実情だ。



 しかし、今回の事故では広範囲に放射性物質が拡散。自治体は危機感を募らせ、京都府は5月、国の見直しを待たず、全国で初めて暫定的にEPZを20キロに拡大した。静岡県藤枝市の北村正平市長は「10キロ圏内の自治体と比べ、今まで情報がなく、『安全』としか知らされていなかった。EPZの拡大をお願いしたい」、新潟県上越市の村山秀幸市長は「市民の意識が非常に高い。EPZの外だと当事者ではない。我々も隣接してるのだから窓口をどこかに開けておかないと」と語る。



 一方、安全協定の拡大は、防災対策に絡んだ原発維持のコスト増加につながりかねず、電力会社は一様に慎重な姿勢を示している。関西電力は「国による原子力の安全性の検討や防災計画の見直しなどの動きを見ながら検討したい」、中部電力は「国の原子力の安全性に対する議論や、EPZ見直し議論などを踏まえ、検討していく」、九州電力は「当社の一存では立地自治体以外の自治体を含めるかどうかについて決められない」とコメントしている。【まとめ・日野行介】



 ◇原子力安全協定◇



 原発など原子力施設の立地、周辺自治体などが住民の安全確保を目的に電力会社などと結ぶ協定。原子力の規制権限は国に一元化されており、協定に法的権限はないが、新増設や改造工事などに対する首長の事前了解や、立ち入り調査ができると規定している。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)のナトリウム漏れ火災事故(95年12月)では、福井県が現場ビデオの改ざんを発見するなど、安全性の向上につながった。一方、新増設や再稼働など重要な判断が実質的に立地自治体に委ねられ、地域振興策を国や電力会社から引き出す手段に使われるケースもある。





(この記事は政治(毎日新聞)から引用させて頂きました)



























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